「お祓いと除霊とを比べた場合、お祓いの適用範囲の方が広いのです。お祓いは、①物のお祓い・②体のお祓い・③心(精神面)のお祓い・④霊のお祓い・⑤災厄のお祓い・⑥因縁を浄化するお祓い、⑦初宮参りや七五三などの通過儀礼で形に子供の健やかな成長を願って心を込めて行うお祓いなどに分類できます。
④霊のお祓いは浄霊と除霊と鎮静(鎮め)に別けられます。
浄霊は迷っている霊や苦しんでいる霊を高次の存在である神仏に浄化していただいて、行くべき世界へお引き上げいただく救霊であり、霊のお祓いの主体となる重要な神事です。
一方、除霊は迷っている霊や苦しんでいる霊を力づくで他所へ追っ払うだけで、救霊にはつながらない副次的な霊術であり、必要に応じて浄霊の一部分を補完するにとどまる神事です。
鎮静(鎮め)は地鎮祭などの場所のお祓いでその場所にいる荒ぶる神霊を鎮めたり、一人ひとりの人間の肉体・幽体・霊体に内在している荒ぶる神霊を鎮めたり、心に潜んでいる魔神(魔)を鎮めたりして鎮魂へと導く神事です」