◎立松和子さん◎主婦
▶手形が絡んだ勤務先の廃業処理を潤沢な資金で無事に完了
正神崇敬会へは十年ほど前、風邪薬の飲みすぎがきっかけで体調を崩していたとき、姉に紹介されてうかがったのがはじめてでした。当時の私は薬の副作用でひどいめまいに悩まされ、病院に行っても症状が治まらず、苦しんでいたのを神様に治していただきました。いつ果てるともない苦しみは、神様のお示しどおりピタリと三ヶ月で治りました。
その後の人生をふり返ると、あのとき笹本先生にご縁をいただけたことは本当にありがたく、今日まで、なにかとご指導いただきながらやってまいりました。
これまで、神様からいただいてきたありがたいご守護のなかから、いくつかをご紹介させていただきたいと思います。
これは七、八年ほど前のことになりますが、当時、主人が勤務していた会社の社長のご子息が急に亡くなられてしまいました。主人は専務として会社の経理全体を見ており、私も同じ会社にパートで勤めさせていただいておりました。
後を継ぐ立場の方を亡くされた社長は、一時は、ほかの人間に会社を託して存続させていくことも考えたようですが、最終的には廃業を決断されたのでした。
経理を全面的に見てきた主人は、取引先をはじめとする周囲の方々にできるだけご迷惑をおかけすることなく、順調に処理を終えることができますようにと、このとき神様にお願いいたしました。
問屋として手形を扱っていた関係から、会社をスムーズに閉めるためには、すぐに使える現金の準備が必要でした。従業員数人でやってきた会社で、資金は3000万円あれば十分です。そこで主人は社長に対して、個人的な資金を会社に貸し付けていただけないものかと申し出たのです。
私的なお金ということから、社長もすぐには承諾してくださらなかったのですが、しばらくすると、社長名義で会社の口座に2000万円が振り込まれました。
しかしこれではお願いしていた3000万円にはあと1000万円も足りません。どこかにシワ寄せが及ぶことは必至です。主人はあらためて、社長にあと1000万円の貸し付けをお願いするつもりでおりました。
すると不思議なことにそれから間もなく、会社の口座に社長名義のお金がさらに2000万円振り込まれたのです。
あとあと、二回目の2000万円は、まだ振り込みが済んでいないという社長の思い違いから入金されたお金であることがわかりました。しかし、そのおかげで、最終的に4000万円という潤沢な資金を用意することができ、主人は余裕をもって会社の処理に臨むことができるようになったのです。神様の見えないお力が働き、主人を助けてくださったものと、夫婦共々、深く感謝いたしました。
社員の皆さんに対する退職金にしても、会社側の都合で廃業するのですから、できるだけのことはしたいと主人は考えておりました。
私の口から申すのもおかしいことですが、主人はそういう点は本当にきれいな人で、限られた額のなかから、まずは皆さんを優先して、会社の規模としてはそれだけ支払うところはなかなか無いと思える程度の額をなんとかお支払いさせていただき、残った額を自身の退職金として受け取りました。
▶神様がくださった主人への退職金
おかげさまで、無事に会社の処理を終えることができた主人でしたが、私たち夫婦は一時に職を失ったため、生活の不安が残りました。主人の年金が下りるまでにはまだ二、三年ありましたし、いただいた退職金はすぐに生活費に消えてしまうことになるでしょう。
考えあぐねた私は、笹本先生をお訪ねした折に、私たち夫婦の今後について、ご神示をいただきたいと申し出ました。
笹本先生はお取次ぎを終えられると、こちらをふり向かれると、「大丈夫」というお示しをいただいた旨、お伝えくださいました。
奇跡が起こったのは、それから間もなくのことでした。
主人は小さな土地を二ヵ所、所有しておりましたが、立て続けにその土地を買いたいという人が現われ、とんとん拍子に話が進んだのです。
こちらが売りに出していたわけではなく、とくに一方は間口が狭い、うなぎの寝床のような土地で、単独ではまず売れそうもないものでした。ところが、たまたま隣接する土地の購入を検討していた方が、その土地も併せて買い取りたいという話になり、主人も喜んで売却に応じたというわけです。
思いがけず土地が売れたことで、私たち夫婦は経済的に救われたばかりでなく、精神的にも余裕が生まれました。
これは、神様がくださった主人への退職金にちがいありません。
▶言霊の大切さを胸に刻み、一歩でも成長したい
じつは二、三年前から時々、舌の先にジリジリとした痛みが出ることが;あり、病院で処方された口内炎の薬や、ビタミン剤を飲んできました。それでも良くならなかったため、正神崇敬会へうかがった際、舌の痛みがとれますようにと、正神界の神々様にお取次ぎをお願いいたしました。その際、「言霊を大切にするように」、つまり言葉に気をつけるようにとのご神示をいただきました。間もなく舌の痛みは取れたものの、この三月(平成19年)に入って、また舌の先に痛みを感じるようになりました。
正神崇敬会へうかがった折、ご祈祷とお祓いを終えた笹本先生は私のほうをふり返られると、
「立松さん、鎮魂行を積むことです。心を平らにしておくことです」
そうおっしゃられたのでした。自分の日頃の行いを省みると、主人や息子に対して、感情の赴くままにキツいものの言い方をしてきた自分が思い起こされました。温和な主人がなにも言い返さないのをいいことに、私はますます図に乗って、言わなくてもいいことまで口にしていたのです。身が縮むような思いがいたしました。
それから三週間後に参拝にうかがった折、あらためてご神示をいただきたい旨、笹本先生に申し出ました。そのときいただいたお言葉は次のようなものでした。
「甘えがすぎないように胆力をつけてください。舌が痛くなるのは神様からのお示しです」
「以前にも申し上げましたけれど、言霊、言葉の力ですね。言霊には立松さんが思っている以上に、深く、強い力が宿っているものです。ですから、心を平らに、平らにして、言葉で自分を飾ることなく、正直にお話なさるように」
私は頭をガツンと叩かれたような思いがしました。私の悪い癖を改めるように、神様はふたたび舌の痛みを通じてお教えくださったのでした。
自分の日常を見つめ直し、鎮魂行とはなんだろうと、あらためて自分に問いかけました。
神様からご覧になったとき、恥ずかしくない自分であるように努めること―それが鎮魂行ではないか。人様の言葉にカチンときたり、批判的な感情がこみ上げてきたときは、「惟神霊幸倍坐せ」と唱えて神様のなかに飛び込んでしまおう、そんなふうに考えました。
これから五年たち、十年たち、この世を去っていくとき、あのとき、神様からお叱りを受けたおかげで変わることができたと、そう思えるようになりたいものです。
これからは言霊を大切にして、心を平らに、平らにと自分に言い聞かせて、一生懸命やらせていただきます。まだまだ未熟な私でございます。もっともっと高い境地を目指して頑張りたく存じます。
神通霊能者 笹本宗道著 「宇宙神道―神々の救済」 より引用