静岡県〈Yさんとの四つの実話〉 自力成仏 正神崇敬会(実例114)

T・Yさんは静岡県のある県立高校の先生です。温かい心と品格知性、見識を兼ね備えられた稀にみる立派な御婦人です。
Yさんは9月7日に初来訪されました。前年に胃癌で胃を全摘手術した夫のFさんの癌が再発、全身に転移して腸閉塞を起こし、苦しんでおられるのをなんとか助けてあげられないものかと、必死の願いを持って正神界の神々に神通霊能者の私儀宗道が仕える救霊の宮、正神崇敬会へお越しになられたのでした。Fさんは20日間絶食して、点滴にてかろうじて保っている状態とのことででした。
この日から私は計四回Fさんの肉体の守護祈願お祓いと浄霊除霊を正神界の神々に取次ぎお仕え奉り、出来るだけ多くの妨害霊のお祓いと浄霊除霊の御守護を正神界の神々よりいただいたのですが、癌による肉体の消耗と衰弱でFさんは残念ながら他界されたのでした。
Fさんは亡くなる二年前から、真言宗系のお寺にお勤めされていたとのことです。また、Y家は江戸時代からの古い家であり、戦後の農地改革で地主でなくなってからは、神棚と仏壇を粗末にしてしまったそうです。したがいましてY家霊統上の因縁霊のお祓い浄霊も、Fさんの祈願お祓いと浄霊除霊の取次ぎと合わせて正神界の神々にお願い奉ったのでございました。
暮れもおし迫った12月22日、YさんはFさんの御供養のために来訪されました。Fさんのことを神界へお尋ね申し上げますと、すでにFさんは自力で成仏され、霊界へ上がられていることが判りました。
Fさんは最後まで肉体の苦痛を伴う厳しい行をされました。それはYさんを初め、近身者にとっても筆舌に尽しがたい非情なる試練でありました。
しかし、人間の考えでは計り知れない神計(かむはかり)が奥で成されていたのです。Fさんはすべての執着をすでに捨て去り、善なる光となっておられました。
人間がひとり成仏するということは、並大抵のことではできません。Yさんの心を込めた手厚い看護のもと、苦しみの中に在りながらもFさんは悟りを開いてゆかれました。
正神界の神々より憑依霊をお祓いと浄霊除霊賜り、悪因縁も御浄化していただいたおかげが働き、また、Fさんの生前の善行と功徳が充分に発動して、初めて成し得ることができた大行(たいぎょう)でございました。
臨終間ぎわにFさんは半眼になられ、一筋の涙を流されたそうです。愛しい妻のYさんと、出来得るならばもう少し生きて暮したいが、それもままならないこと。
これまで共に歩んできた人生を振り返り、今世の別れをしなければならない一抹の淋しさと、それにもましてYさんのおかげでここまで来られたという感謝の涙であったのです。
厳しい苦行に耐え、辛い別れを乗り越えて、Fさんは静かに澄みきった心境で昇天されたのでした。
霊界の住人となられたFさんは、いつもYさんの幸せを願い、見つめておられます。その温かな霊波を、きっとYさんもお感じになられる時があると思います。
その後、身辺の整理を一つづつなされたYさんは、3月16日までに嫁ぎ先のY家、実家K家、母方のS家の先祖供養と因縁浄化を正神界の神々に願い出られて真剣にすすめ、子孫としての大役を果たされました。
この日Yさんから12個の質問がございましたが、その内の3つをここに紹介させていただきたいと存じます
「宗道先生のお教えによりますと、私の父は37歳の若さで死去したにもかかわらず霊界の人となっています。
祖父母は90歳、80歳までとそれぞれ長命だったのに成仏できないでおりました。
この違いはいったい何によって決まるのでしょうか」
「お父さんはたとえ寿命は短くとも、この世の果たしを終え、神の許しがあって成仏されたのです。お父さんの霊格と守護神様の霊格が高かったことも関係しています。
人間考えでは、長命だと御守護が強いように思いがちですが、魂の果しのためにこの世に生まれ変ってくるのですから、長生きしたから即成仏できるとは限りません」
「私は神仏に関わる諸事が多いのですが、これは私の興味以外に、背後霊や前世のことも影響があってのことなのでしょうか」
「そのとおりです。Yさんの守護神・守護霊・背後霊のお働きが大きく、またYさん自身の本霊も前世の果たしをされる自覚を奥にお持ちです」
「私は子供がおりませんので、自力で霊界へ上がれる修行をしなければなりません。必要なことを教えて下さい」
「御自身の前世因縁霊を正神界の神々よりお祓い浄霊除霊いただいて魂の浄化をお進めになられることです。そして、自ら御霊磨きに励まれ、徳をお積みになって今世を神人(かみびと)として生きることにあります」

神通霊能者 笹本宗道 著「神仰のパワー」より引用

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